クライミングでフォールして左足首骨折してしまったので、手術を受けた話 #30

クライミングでミスをして、グランド・フォール(地面にまで落ちてしまうこと)をしてしまい、左足首を2箇所骨折してしまいました。

落ちた直後は、落ちたことにかなり動揺している一方、左足のふくらはぎが異様に重たく痛み、おかしいと思って、足首を見たらいつもの2倍以上に膨れていました。
痛む左足を地面につけないように、二人に両肩を借りて登山道までおり、息も絶え絶えで登山道脇の渓流で足を冷やして、ようやく一息つけました。それから、ゆっくり、ゆっくりと車の方に向かい、コンビニでロックアイスを買って痛めた箇所を冷やして痛みを和らげながら、大事に至っていなければ良いなと願いつつ、救急病院の診察を受けました。
コロナに怯えつつ、レントゲンとCTスキャンを撮った結果、残念なことに、内くるぶしと足首の根本の骨(距骨)を骨折していて、手術による治療をお勧めしますと、診断されたのでした。

骨折治療の手術は、全身麻酔。入院自体が人生初、全身麻酔で手術を受けることも初めての経験です。

全身麻酔って?どんなん?

全身麻酔で手術を受けている人は身近にいても、麻酔の最初から最後まで立ち会ったことはないので、「全身麻酔ってどんなん?」と全くイメージできません。自分の経験も、歯医者さんでの部分麻酔ぐらいしかありません。

怖くないか?と聞かれれば、確かに100%安全ではないので、不安は少々ありました。でも、怖いとまでは思いませんでした。麻酔なしの手術はありえないですから。

それに、ちょっとだけ、興味もありました。麻酔で意識を失っていく、ってどんな感じなのだろう?とか、麻酔中はどんな感じなのだろう?眠っているのとは違うのかな?って感じで。

手術までが長かった

痛めて、救急病院の診察を受け、改めて自宅近所の病院で診察を受けて、「手術が必要」と判明してから、実際の手術を受けるまで1週間かかりました。理由はパンパンに腫れていたため。まず腫れがある程度ひかないと、縫合に不都合を生じるから手術をしないそうです。
そのため、入院して患部をそれ以上痛めないように、なおかつ、徹底的にアイスノンで冷やして、腫れを抑えるよう求められました。
手術前の1週間が長く感じられました。(同時に妄想も膨らみました)

どんな手術?

さて、骨折した左足首は、次の2箇所。

  • 内側のくるぶし:桃をスライスしたように、くるぶしの内側の塊が縦にざっくり割れて、勢いで180度回転して、骨折した断面が外側を向いている状態
  • 足首の付け根にある距骨;垂直方向に圧縮されて、グシャっと潰れた、圧迫骨折

それぞれの骨にインプラントのチタンのボルトを2本ずつ打ち込んで固定する、という手術でした。インプラントですので、死んで骨に焼かれるまでずっと、私の左足首には、4本のチタン製のボルトが埋め込まれ、生涯を共にすることになります。

チタンといえば、「(10数年前に)AppleのG4 Titanium Macbookを使っていたことがあったなぁー」なんて思いだしました。当時はかなり思い切った買い物で、恐る恐る、大事に使っていました。なんだか、懐かしい。

手術を控えて

手術の3日前まで、骨折した左足首の腫れが酷く、無事な右足首と比べると、とても大きく膨らんでいました。腫れがひどいと手術を受けられないので、予定通りにできるのか、本当に心配でした。

病院での手術は診療科ごとに曜日が決まっているので、予定通りにできないと、また数日待機するだけの入院日数が増えてしまいます。そんな私の心配をよそに、整形外科の先生は非常に楽天的で、繰り返されるのは「なんとかイケルでしょう」と言った、軽いノリの返事だけ。予定日が近づくにつれて、少し焦ってしまいました。とはいえ、できるのは安静にして、冷やすことだけ。(それだけに、妄想ばかり膨らんで困っていました)

手術の前日は、麻酔科の説明を受け、シャワーを浴びました。

麻酔科の説明は、マニュアルが良くできていて、不安感を和らげるようにあらゆる配慮がなされていました。要は、リスクはゼロではないけれども、普通は大丈夫です、というもの。説明の最後に、全身麻酔の際に、バックアップで挿管をします、と言われました。ER(NHKでよく放送されていた医療ドラマ)をよく見ていましたので、「ああ、あれね」とすぐにイメージできました。

この挿管について、「東京都の救急救命士の研修に協力していただけませんか?」と相談を受けました。

交通事故などで呼吸に問題があり、現場で挿管が必要になることがあるでしょう。一定数の経験を積んでいないと、救急救命士が現場に駆けつけても挿管ができないそうです。目の前の救えそうな命に対して無力なのは辛いですね。私は喜んで「いいですよ」とサインしました。微々たる1例に過ぎませんが、少しでも経験のお役に立てればと、思いまして。

前日の夕食を食べたら、手術翌日の朝まで食事は抜き。「辛いかな」と思いましたが、実際はそれどころではありませんでした。さらに、当日の朝から飲み物も禁止。夏場でしたので、脱水にならないように左腕に点滴のラインを確保して、点滴を受けます。食事をとることができないので、多少のブドウ糖も一緒に点滴されていました。

手術は午後の予定で、当日何にもすることが無く、仕事する気力もなく、ずっと「ボーッ」と待っているだけでした。

手術室へ

下着も何もつけない状態で、浴衣を着て、手術中に自分の体の下に敷くバスタオルと手術後に身につける下着の「T字帯(フンドシのようなパンツ)」と着圧タイツ(エコノミー症候群、血栓の形成を抑える)を用意して、手術室に向かいます。

身につけているもの(眼鏡、いれば・差し歯など)は手術前に外します。私はメガネをかけていて、裸眼だと視力が0.1程度しかありません。しかし、手術室への移動は、車椅子で看護師さんに押してもらえます。手術後すぐにメガネが必要になることもないでしょうから、メガネは病室で外してメガネケースにしまい、手術室へ向かいました。

手術室は今どきとあって、非常に明るく、清潔なものでした。昔のドラマのようなタイル地だったり、レンズのような大きなライトがあるわけではありません。

全身麻酔だと思ったら、、、

手術室のスタッフの方々に、よろしくお願いしますと挨拶を交わして、車いすから手術台、といっても長椅子のような、ベットのようなものに乗り、そこでバスタオルで体を隠してもらいながら(恥ずかしくないように配慮してくれる)、手術を受ける準備をしていきます。なんだか、淡々と進んでいくなぁ、という印象を持ちました。

浴衣を脱いで、バスタオルにくるまれながら、体の態勢を整えます。準備ができたら、酸素マスクを口に当てて、麻酔のガスを少し吸い、「これから全身麻酔をしますよ」、「点滴からちょっと冷たく感じるものが入りますよ」と教えてもらい、「ああ、本当だ。冷たいものが入ったなぁ」と思ったら、ほんの数秒で、意識を失ってしまいました。手術室に入ってから、感覚的には数分程度、あっという間でした。

もう、終わってる、、、

「麻酔を始めますよ」と教えてもらって、秒殺で意識が遠のき、その後意識が戻るまでの時間感覚は全くありませんでした。夢を見ることもなく、熟睡していた、寝落ちして目が覚めた、というような感じで、意識が戻った時にはすべての処置は終わっていて、病室に戻るところでした。

「ああ、手術が終わったのか」と安心して、しばらくは意識がもうろうとした状態で、ふわふわとしていましたが、意識は少しずつ明確になっていきました。そうすると、手術した部分が鋭く痛みます。当然ですね、斬られたのですから。

この痛みが、かなり強いです。もう、想像を遥かに超えていました。
足首の内側を15㎝弱切っただけだというのに、猛烈に痛いです。切開しただけでなく、骨にボルトを4本入れたせいもあるかもしれません。正直いうと、骨折した直後よりもずっと、とにかく痛いです。足首に象が乗って圧迫してくるような重さと痛みを感じました。

痛みとの戦い

手術後から翌日の朝までの時間がとにかく長く感じられました。痛くて、辛かったです。今回の骨折治療で一番大変だった時間です。

手術を受けてから病室に戻るまでは、何も処置ができないので、ベットで揺られている間はとても長い時間が経過したように感じました。おそらく数分しかなかったはずなのですが。

ようやく病室に戻り、酸素ボンベ吸入などの様々な接続が完了してから、ようやく痛み止めの点滴をしてもらえたのですが、全然効果を感じません。もう少し楽になるかと期待したのですが、全然痛みがなくなりません。

たまらずに、痛み止めを追加して欲しいとお願いしまして、座薬を入れてもらいました。それでも痛みが軽くなった気がしません。時計の針は遅々としてなかなか進みません。痛み止めを投与できる時間間隔というのが存在するので、次の痛み止めを投与してもらえるまで、痛みに耐えて待たなければならないのです。

眠ることができれば良いのですが、生憎、痛みで全く眠れそうにありません。できることと言えば、YouTubeなどで動画を見て気持ちを紛らわすぐらい。TVはつまらないですから、最初から選択肢にありませんでした。運の悪いことに手術日は月末でしたので、パケットがギリギリの状態。結局何度か、追加でパケットを購入して、動画を見てなかなか進まない時間と痛みに戦っていました。

長い夜を超えて

動画を見て、時々意識が遠のくように短い時間寝落ちして、また動画を見て、待望の痛み止めの点滴を2度ほど受けると、少しずつ痛みを感じなくて済む時間が長くなりました。夜が白み始め、朝を迎えても、痛みは続いていました。朝には、状態の確認で採血が行われるのですが、意識朦朧としていました。右腕の静脈が細くなっていたらしく、なかなか針の位置の目測をつけることができなかったようで、なんとか針を入れても、なかなか取れなかったようです。で、自分はというと、もう、何をされてもOKです、という万事受け入れるだけの状態でした。

手術前は1日ぶりの食事が楽しみになるのかな、とだけ思っていた、手術翌日の朝食は、食べられるという楽しみよりも、食事した後に内服薬を飲んで痛みを和らげることができるかも、という期待の方が大きかったです。それは、昼食も、夕食も同じでした。

手術翌日の夜は、2時間程度のまとまった睡眠を取ることができました。痛みで目覚めるたびに、足首を冷やしているアイスノンを交換してもらい、十分に冷えて痛みが和らぐと再び眠りに落ちる、という繰り返しでした。痛む間は、動画を見て気持ちを紛らわす。パケ死してました。

手術の翌々日の朝にはだいぶ痛みも弱くなってきて、2日後には痛み止めの点滴が必要なくなり、毎食後の痛み止めの内服薬だけで、痛みを抑えることができるようになりました。そうこうしているうちに、退院の日が近づいてきました。

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