コロナ禍の裏でバッタ

サバクトビバッタの成虫は世界で最も破壊的な移動性害虫の一つ。自身の体重と同じ約2グラムの植物を1日で食べることができる。1月以降、ケニアは過去70年で最悪の大発生に見舞われている。バッタの増殖は続いており、東アフリカの作物は特に攻撃を受けやすい生育期を迎えている。専門家たちは、バッタの到来によって、東アフリカの最大2500万人が食料不足に見舞われる恐れがあると予想している。
(PHOTOGRAPH BY DAVID CHANCELLOR, NATIONAL GEOGRAPHIC)

蝗害(こうがい)、トビバッタ・飛蝗・ワタリバッタが「孤独相」から「群生相」に形態も行動も変化し、大量の群生群を作り、食物を食い散らかす害悪が、コロナ禍の裏側で東アフリカからインドを襲っています。

私は毎朝、COVID-19関連のニュースをNHK衛星第一のWorld Newsでチェックしていますが、ごくわずかの部分で東アフリカの「蝗害」がちらっとだけ報道されていました。日本のテレビではあまり耳にしないニュースですね。

ありえないバッタの数

大量の群生群とありますが、ありえない匹数です。数百万匹はいる、と報道されています。

Millionの単位です。想像がつきませんが、写真を見るとなんとなく納得します。

アカシアの木に襲い掛かるサバクトビバッタの大群。ケニア北部で4月に撮影。群れはニューヨークの面積の1.5倍を超える700億匹に達することもあり、その場合、約13万6000トンもの作物が1日で失われる計算になる。

(PHOTOGRAPH BY DAVID CHANCELLOR, NATIONAL GEOGRAPHIC)

この細かな一つ一つの点が、サバクトビバッタです。

空が黒くバッタで埋め尽くされるそうですが、アルフレッド・ヒッチコクの「」いう映画並みに不気味で怖いですね。

食糧難の危機

このバッタ、自分の体重と同じだけの植物を1日に食べるらしいです。旺盛な食欲により、周囲の植物は根こそぎ食べられてしまうとのこと。ナショナル・ジオグラフィック誌によると、3月下旬から5月にかけて東アフリカでは食物の育成に重要な時期であり、新芽が食されてしまうと発育障害が発生して収穫できなくなる、とのこと。加えて、コロナ・ウイルス対策により思うような駆除活動がとりにくいという報道も散見されます。

今朝見たニュースでは、バッタが食い散らかした植物を家畜が食べると、お腹を下してしまうとのこと。家畜用の餌がなくなるばかりでなく、健康も害すとは、恐ろしいです。

 

 

NHKのワールドニュース番組でも、この話題が取り上げられていました。

バッタの生態はまだ解明されていない

COVIDー19と同じように、この問題については解明されていないことがたくさんあります。特に、バッタの形態が変わること。「孤独相」から「群生相」への相変化のメカニズムが不明なのです。

一方で、日本で定義通りの「蝗害」が発生しないのは、

  • 国土が狭く、大量のバッタ群生群を養うだけの食糧に乏しいこと
  • エントモフトラ属(ハエカビ属・ハエカビ目)のカビを始めとした天敵の存在

が理由として挙げられています。日本の歴史にある「蝗害」はほとんどの場合はウンカによるものだそうです。

背景には地球温暖化も

バッタが異常発生している背景には、地球温暖化による「降雨」が影響しているとの分析もなされています。アラビア半島の砂漠に、大雨が降り、草原が生まれたことで、サバクトビバッタが繁殖しやすい環境が生成されたのが、今回の一因であるという分析です。

砂漠の緑化と、言葉だけ聞くととてもいいことのように思いますが、予想だにしない「蝗害」の遠因となるなど、自然とは表面を理解しただけではしっぺ返しを食らうものなのですね。

コロナの騒動で、グローバル化による新しい問題が現れ、この蝗害では、地球温暖化の別な側面からの問題として現れる。そしてこれら二つともに、低所得者への食料問題として発展する側面があることが懸念されます。

これらは、新しい時代を迎えるための一つの試練なのでしょうか?

参考図書

参考図書として、抱腹絶倒のこちらの本を紹介します。

著者の前野氏は、西アフリカの「モーリタニア」でサバクトビバッタの研究をなされていたので、今回の東アフリカの案件についてあまり関与していないかもしれません。バッタの生態を理解するには、うってつけの本です。(ググってみましたが、最近の活動は上がってきませんでした)

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