1/52 考えるより、行動しよう

「文章を書くための最大の秘訣」
何を書くかというアイデアは、「考えているとき」にではなく、「書いている最中」に浮かぶ
文章を書く時、書き出しでつまずくと一向に書けません。
学生の頃、何も書かれていない原稿用紙を前にして、読書感想文を一行も書くことができず、焦って9月1日を迎えたことが何度あったことでしょう。
私がブログの文章を書くときは、精緻な構造を予め考えてから書く、というような準備段階を設けていません。
文章の種となる、メモをたくさん書いているわけでもありませんし、何かのストックを引き出して文章を書くこともしていません。ブログを書いていいますが、「ネタ帳」のようなものを一度も作ったことはありません。それでもサイトを変えて、ブログを書いてきましたが1000投稿は超えています。(ほとんど残していませんが、、、)
4年ほど前に書いて、その後消してしまった記事には、即興演奏のように、決めた一つのテーマからスタートして、思いつくままに文章を書く、Improvisationでブログを書くと豪語したこともあります。
物事は取り掛かりが特に難しく、
- 文章を書くときは、書き始めることが難しく
- 面倒臭い仕事は、その仕事に取り掛かるのが難しく
- ボルダリングは、離陸が難しい
というものです。
スピードハックス、という仕事に関するライフハックがあります。私の一番のお気に入りは「とりあえず5分だけやってみる」というもの。
文字通り、やりたくないなぁと億劫になってしまう仕事を、とりあえず5分間だけちょっとやってみる。すると、始めてみたら新しい思いつきが得られて、意外とサクサクできてしまう。そんな経験則からきたライフハックです。
その先の景色?
私は登山、トレッキングを趣味としています。
なぜ、それが好きなのか?の理由を一つ挙げるなら、「今見えているその先の景色を見たいから」です。単純に、あそこまで行ってみたら、どんな景色が広がっているのだろう?という興味です。
それを見たいから、歩いたり、クライミングしたりして、そこに向かうのです。
つまり、行動が必要です。自分は動かないでドローンを飛ばというのも、その先の景色を見るための行動に他なりません。
行動することによって、考えていたのとは全く異なる景色、事態、現実を経験することができます。やってみないとわからない、とはよく言われることですが、正しくその通りです。当たり前すぎる話ですが、行動するのは簡単ではありません。その手前でクヨクヨと思い悩んでしまうモノだからです。
思考の飽和点に至るリスクを理解する
前掲のThink clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法 では、「思考の飽和点」というコンセプトが紹介されています。
思考の飽和点:それ以上長く思い悩んでも1ミリも先に進まないポイント
考えることは楽ですが、いくら考えても分かること、経験できることは限定的です。
「案ずるより産むが易し」は紛れもない事実です。考えすぎて、「思考の飽和点」まで達してしまったら、それ以上は何も産まなくなります。さらに、物理学でいうところの「慣性の法則」のように、一定の場所で長い間とどまっていると、動き出すのが難しくなってしまいます。思考の飽和点は、全く行動できなくなるリスクを大いに孕んでいます。新しい見解をもてなくなり、行動を後押しするものが得られなくなるので、「決断」がつかないのです。
100%の情報は得られない
状況を全て理解し、リスクを定量的に把握できない限り行動できない、その気持ちは理解しますが、残念ながら100%の情報を事前に得ることはできません。神様でもない限りは、そのようなことは無理です。私たちは不完全な人間ですから。
不完全な情報を整理して理解した上で、情報の空白部分を行動しながら探っていく。行動して新しい現実と遭遇したら、事前の推測と新しい現実とのギャップを確認し、正しく判断して、行動にフィードバックする。
趣味の登山も同じことです。
事前の準備は怠りません。でも、登山道、沢、岩壁、雪壁の状況までわかりません。現場に着いてからつぶさに観察し、事前情報と関連付けながら、登ルートを決めていきます。新しい現実と事前の推測とのギャップを埋める行為は、まさに登山で行っているプロセスそのものです。
考えるだけのほうがラク
考えるだけで先に進めないことは私にも良くある。思考の飽和点をとっくに過ぎていても、つい考え過ぎてしまう。
どうしてだろう?それは、考えるほうが簡単だからだ。
率先して行動を起こすより、考えているほうが気楽だ。実行に移すよりぼんやりと思いをめぐらせているほうが、心地がいいのだ。
安全なところに身を置いて、「行動した」他人を批判するのは簡単で、ラク。圧倒的にこれは正しい。
批判することで、ちっぽけな自尊心を満たすことができるかもしれない。
でも、リスクをとって行動する人には敵わない。経験量が桁違いに違うから。
私は、頭でっかちにはなりたくない。
とはいえ周囲の迷惑も顧みないで「行動」に突っ走るのもどうかな?と思う。
まさに、バランスが大事で、DecentなPointが求められる典型ではないだろうか。
無駄な苦労は意味がないが、「ラク」に安住すると、無駄に年齢だけ重ねてしまう。私はそうなりたくない。あなたはどうですか?
節度ある適度な行動を
実行するのは至難だけれど、「節度」を守り、周囲の人を不快に思わせないように配慮しつつ、思考の飽和点にとどまらずに「適度」な行動をとれる人でありたい。
そんな時、「思考の道具箱」として書籍にまとまったThink clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法 がとても参考になります。
先に一読しましたが、折に触れて読み直し、52のツール(残り51)の全てを紹介したいと思います(このカテゴリーで)。